買う前のチェックリスト【テクニカルで選んだ銘柄を、会社の数字で最終確認する6つ】
この記事の要点
- テクニカルで選んだ銘柄を買う前に、決算発表の日・本業のもうけ・会社の予想・割高割安・財務・配当の6つを確かめます
- どれも「良い会社か」ではなく「無理がないか」を見ます。気になる点があれば、見送るか株数を減らすのも立派な判断です
- 買うかどうか、株数と損切りは、チャートと自分のルールで決めます。チェックリストは、そのルールの一部として使います
✅ このコースのまとめ
このコースでは、テクニカルで選んだ銘柄を、買う前に最低限確かめるためのファンダメンタルの基礎を、11回にわたって見てきました。最後の回では、それを6つのチェックリストにまとめます。
1つの銘柄につき、慣れれば10分ほどで確かめられます。1つずつ見ていきましょう。
① 決算発表の日が近すぎないか
まず確かめるのは、次の決算発表決算発表(けっさんはっぴょう)会社が3か月ごと・1年ごとの成績(売上や利益)を発表すること。発表の前後は株価が大きく動きやすい。くわしく見る →用語集の一覧の日です。数日後に決算発表があるなら、買ったとたんに、窓をあけて大きく動くかもしれません。
- 発表まで何日あるか
- 決算をまたぐなら、窓で動いても1回の損の上限におさまる株数か
くわしくは第4回 決算発表と株価の動きで見ました。TradingViewのチャートに決算発表の日を出す手順は、決算日と配当をチャートに出すで説明しています。
② 本業のもうけは伸びているか
決算短信の1ページ目で、売上高と営業利益営業利益(えいぎょうりえき)売上高から、原価と、人件費・広告費などの費用を引いた、本業でのもうけ。くわしく見る →用語集の一覧が、前の年とくらべて増えているかを確かめます。何年か続けて増えていれば、本業が順調だと考えられます。純利益だけが大きく増えている年は、一時的な損益が入っていないかも見ます(第3回)。
③ 会社の予想は下がっていないか
業績予想の欄で、今期(来期)の売上と営業利益が増える見通しかを確かめます。最近、下方修正上方修正・下方修正(じょうほうしゅうせい・かほうしゅうせい)会社が業績予想を引き上げるのが上方修正、引き下げるのが下方修正。くわしく見る →用語集の一覧が続いていないかも見ます。下方修正が続く会社は、もう一度下がる見通しが出ることもあります(第5回)。
④ 割高すぎ・割安すぎではないか
PERPER(株価収益率)(ぴーいーあーる)株価が1株あたりの利益の何倍かを表す数字。利益にくらべて割高か割安かの目安です。くわしく見る →用語集の一覧とPBRPBR(株価純資産倍率)(ぴーびーあーる)株価が1株あたりの純資産の何倍かを表す数字。1倍より低いと、株価が会社の財産より安く評価されている状態です。くわしく見る →用語集の一覧を、同じ業種の会社や、その会社の過去の水準とくらべます。
- PERが業種の平均より大きく高いなら、高い期待が株価に入っています。期待にとどかない決算で、大きく下がることもあります
- PERやPBRが目立って低いなら、利益が減る見通しなど、低い理由がないかを確かめます
⑤ 財務に無理はないか
自己資本比率自己資本比率(じこしほんひりつ)資産のうち、返さなくてよい純資産(自己資本)の割合。高いほど借金にたよっていない。くわしく見る →用語集の一覧が、同じ業種の会社とくらべて低すぎないか、前の年より大きく下がっていないかを見ます。本決算の決算短信では、営業キャッシュフロー営業キャッシュフロー(えいぎょうきゃっしゅふろー)本業で、実際に入ってきた現金から出ていった現金を引いたもの。営業CFとも呼ぶ。くわしく見る →用語集の一覧がプラスかも確かめます(第10回)。
⑥ 配当に無理はないか
配当を出している会社なら、配当利回りが目立って高すぎないか、配当性向配当性向(はいとうせいこう)純利益のうち、配当として株主に回した割合。1株あたり配当÷1株あたり利益×100。くわしく見る →用語集の一覧が100%に近くないかを確かめます。高すぎる利回りは、株価が下がった結果のこともあります(第9回)。
🧭 チェックのあとの決め方
6つを確かめたら、次の流れで決めます。
- 気になる点がない:チャートで決めたとおり、自分のルールで株数と損切りの位置を決めて、エントリーを考えます
- 気になる点がある:見送る見送り(みおくり)条件がそろわない日や、決めた「入らない日」に、売り買いをしないこと。くわしく見る →用語集の一覧、株数を減らす、決算発表を待ってから考える、などを選びます
見送るのは、負けではありません。チャートの形がよくても、数字に気になる点がある銘柄は、ほかにもたくさんある候補のうちの1つにすぎません。株数の決め方は、株数の計算ツールも使えます。
📝 自分のルールに入れてみる
このチェックリストは、自分の売買のルールの一部として使うと、続けやすくなります。たとえば、投資の習慣のページに、次のようなルールを登録してみましょう。
- 「決算発表の5営業日前からは、新しく買わない」
- 「営業利益が前の年より減っている銘柄は、株数を半分にする」
- 「買う前に、決算短信の1ページ目を見る」
どんなルールにするかは、資金や売買の期間、性格によってちがいます。ルール売買ルール(ばいばいるーる)いつ入る・どれだけ買う・どこで出る・入らない日を、前もって決めておく自分との約束。くわしく見る →用語集の一覧の作り方は、基礎コースの自分のルールを作ると、ローソク足だけで決めないも参考にしてください。投資は自己判断でお願いします。
12回、おつかれさまでした。チャートで流れとタイミングを読み、会社の数字で無理がないかを確かめる。この2つを分けて使えるようになれば、売買の判断は、ぐっと落ち着いたものになります。
✏️ 確認問題
Q1. チャートの形が良い銘柄の決算発表が、3日後にあると分かりました。考え方として合っているのはどれですか?
答えと解説
正解は「決算をまたぐか、またぐなら窓で動いても損の上限におさまる株数かを、自分のルールで決める」。決算の結果はだれにも分かりません。またぐかどうか、株数、損切りの位置を、前もって自分のルールで決めておきます。
決算の結果はだれにも分かりません。またぐかどうか、株数、損切りの位置を、前もって自分のルールで決めておきます。
Q2. 6つのチェックで、気になる点が見つかりました。選び方として合っていないのはどれですか?
答えと解説
正解は「気になる点は気にせず、ふだんより株数を増やす」。気になる点があるときは、見送る・株数を減らす・決算を待つ、などを選びます。見送るのも立派な判断です。
気になる点があるときは、見送る・株数を減らす・決算を待つ、などを選びます。見送るのも立派な判断です。
Q3. 買う前のチェックリストの役目として合っているのはどれですか?
答えと解説
正解は「思わぬ大きな下げにあう回数を減らし、無理のない銘柄かを確かめる」。チェックリストは、上がる銘柄を当てる道具ではなく、無理がないかを確かめるためのものです。最後はチャートと自分のルールで決めます。
チェックリストは、上がる銘柄を当てる道具ではなく、無理がないかを確かめるためのものです。最後はチャートと自分のルールで決めます。
この記事の用語
- 決算発表
- 会社が3か月ごと・1年ごとの成績(売上や利益)を発表すること。発表の前後は株価が大きく動きやすい。
- 営業利益
- 売上高から、原価と、人件費・広告費などの費用を引いた、本業でのもうけ。
- 上方修正・下方修正
- 会社が業績予想を引き上げるのが上方修正、引き下げるのが下方修正。
- PER(株価収益率)
- 株価が1株あたりの利益の何倍かを表す数字。利益にくらべて割高か割安かの目安です。
- PBR(株価純資産倍率)
- 株価が1株あたりの純資産の何倍かを表す数字。1倍より低いと、株価が会社の財産より安く評価されている状態です。
- 自己資本比率
- 資産のうち、返さなくてよい純資産(自己資本)の割合。高いほど借金にたよっていない。
- 営業キャッシュフロー
- 本業で、実際に入ってきた現金から出ていった現金を引いたもの。営業CFとも呼ぶ。
- 配当性向
- 純利益のうち、配当として株主に回した割合。1株あたり配当÷1株あたり利益×100。
- 売買ルール
- いつ入る・どれだけ買う・どこで出る・入らない日を、前もって決めておく自分との約束。
- 見送り
- 条件がそろわない日や、決めた「入らない日」に、売り買いをしないこと。
この記事は投資の考え方を学ぶためのもので、投資助言ではありません。投資は自己判断でお願いします。例に出てくる会社名と数字は、説明のための架空のものです。特定の銘柄をすすめるものではありません。