PBRとは?1倍の意味と見方を図解【1倍割れには理由がある】

この記事の要点

  • PBRは「株価÷1株あたりの純資産(BPS)」。会社に残っている財産にくらべて、株価が何倍かを表します
  • 1倍なら株価と1株あたりの純資産が同じ、1倍より低ければ、株価が財産より安く評価されている状態です
  • 1倍を下回るのには、利益が少ない・成長が見えないなどの理由があることが多いので、理由をあわせて確かめます

🏦 PBRとは

(株価純資産倍率)は、株価が、1株あたりの純資産の何倍になっているかを表す数字です。

  • PBR = 株価 ÷ 1株あたりの純資産()
  • 1株あたりの純資産 = 純資産 ÷ 発行済株式数

は、第2回の貸借対照表で見た、資産から負債を引いた残りです。会社をいま解散して、借金を全部返したときに、株主の手元に残るお金のようなものだと考えると分かりやすいでしょう。

前の回のPERが「利益」とくらべた株価の高さなら、PBRは「財産」とくらべた株価の高さです。PBRも、時価総額を純資産で割れば同じ数字になります。

📏 1倍が目安の線

PBRを見るときは、1倍がひとつの目安になります。

PBR = 株価 ÷ 1株あたりの純資産(架空の会社・見本)0.6倍E社1.0倍F社2.5倍G社1倍=株価と1株あたりの純資産が同じPBR = 株価 ÷ 1株あたりの純資産(架空の会社・見本)0.6倍E社1.0倍F社2.5倍G社1倍=株価と1株あたりの純資産が同じ
PBR1倍は、株価と1株あたりの純資産が同じ状態。E社は1倍より低く、G社は2.5倍です(架空の会社の見本)。
  • 1倍:株価と1株あたりの純資産が同じ
  • 1倍より低い:株価が、会社に残っている財産より安く評価されている
  • 1倍より高い:財産より高く評価されている。これからの利益や成長が期待されている

1株あたりの純資産が1,000円の会社の株価が800円なら、PBRは0.8倍です。単純に考えると、会社を解散すれば1,000円分の財産があるのに、800円で買えることになります。

🔍 1倍割れには理由がある

では、PBRが1倍より低い会社は、お買い得なのでしょうか。多くの場合、低いのには理由があります。

PBRが1倍より低いのには、理由があることが多い利益が少ない財産をうまく使えていない(ROEが低い)成長が見えないこれから先の伸びを期待されていない資産に不安在庫や古い設備が帳簿どおりの価値を持つかPBRが1倍より低いのには、理由があることが多い利益が少ない財産をうまく使えていない(ROEが低い)成長が見えないこれから先の伸びを期待されていない資産に不安在庫や古い設備が帳簿どおりの価値を持つか
PBRが1倍を下回る理由の例。財産をうまく使えていない、成長が期待されていない、帳簿の財産に本当にその価値があるか分からない、など。
  • 利益が少ない:財産をたくさん持っていても、それを使ってもうける力が弱い。次の第8回で見るが低い会社に多く見られます
  • 成長が見えない:これから先、売上や利益が伸びると思われていない
  • 資産の中身に不安:売れ残った在庫や古い設備などが、帳簿にのっている金額ほどの価値を持たないかもしれない

日本では、2023年に東証が、PBRが1倍を下回る会社などに、株価を意識した経営を求めたことから、PBRがよく話題になるようになりました。PBRを上げるために、配当を増やしたり、自分の会社の株を買ったりする会社も出てきています。

🔗 PERとPBRをいっしょに見る

PBRとPERは、ふつういっしょに見ます。PERは利益、PBRは財産と、くらべるものがちがうからです。

たとえば、PBRは低いのにPERはふつうの会社は、財産にくらべて利益は出ているけれど、成長の期待が小さい、と見られているのかもしれません。どちらの数字も、同じ業種の会社とくらべて見るのは、と同じです。

PBRの計算は、第6回の計算や、基礎コースのPER・PBR・配当利回りでも試せます。

✏️ 確認問題

Q1. 株価が1,200円、1株あたりの純資産が1,500円の会社のPBRはいくつですか?

答えと解説

正解は「0.8倍」。PBR=株価÷1株あたりの純資産なので、1,200÷1,500で0.8倍です。1倍を下回っています。

Q2. PBRが1倍より高いのは、どんな状態ですか?

答えと解説

正解は「株価が、1株あたりの純資産より高く評価されている」。PBRが1倍より高いのは、財産より高く評価されている状態です。これからの利益や成長が期待されていることが多いです。

Q3. PBRが1倍を下回る会社について、考え方として合っているのはどれですか?

答えと解説

正解は「低いのには理由があることが多いので、利益の力や成長の見通しもあわせて確かめる」。利益が少ない、成長が見えないなどの理由で、1倍割れが続く会社もあります。理由をあわせて確かめましょう。

この記事の用語

PBR(株価純資産倍率)
株価が1株あたりの純資産の何倍かを表す数字。1倍より低いと、株価が会社の財産より安く評価されている状態です。
BPS(1株あたり純資産)
会社の純資産を、発行している株の数で割った値。PBRの計算に使います。
純資産
会社の資産から負債(いずれ返すお金)を引いた残り。株主が出したお金と、これまでためた利益など。
ROE(自己資本利益率)
純利益÷純資産×100。株主のお金を使って、1年でどれだけ利益をあげたかを表す。
PER(株価収益率)
株価が1株あたりの利益の何倍かを表す数字。利益にくらべて割高か割安かの目安です。
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この記事は投資の考え方を学ぶためのもので、投資助言ではありません。投資は自己判断でお願いします。例に出てくる会社名と数字は、説明のための架空のものです。特定の銘柄をすすめるものではありません。

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