売上・営業利益・純利益のちがいとは?損益計算書の見方を図解【まず見るのは営業利益】

この記事の要点

  • 売上高から費用を順に引いていくと、売上総利益、営業利益、経常利益、純利益と、利益が段階ごとに出てきます
  • まず見るのは本業のもうけである営業利益。売上高といっしょに、前の年より増えているかを確かめます
  • 純利益には、土地を売った利益など一時的な損益も入ります。純利益だけが増えた年は、営業利益も増えているかを見ます

🧮 損益計算書は「上から引いていく」表

前の回で見た損益計算書は、いちばん上の売上高から、いろいろな費用を順に引いていく表です。引くたびに、名前のちがう「利益」が出てきます。

損益計算書の上から下へ(見本・架空の会社、単位:億円)100売上高40売上総利益10営業利益9経常利益6純利益損益計算書の上から下へ(見本・架空の会社、単位:億円)100売上40売上総利益10営業利益9経常利益6純利益
売上高100億円から、原価や人件費などを順に引いていくと、最後の純利益は6億円になります(架空の会社の見本)。

見本の会社は、100億円売れて、最後に残ったもうけは6億円です。それぞれの利益は、次のように求めます。

利益の名前 求め方 何が分かるか
売上総利益 売上高 − 原価 商品そのものでのもうけ(粗利)
営業利益 売上総利益 − 人件費・広告費など 本業でのもうけ
経常利益 営業利益 ± 利息・配当の受け取りなど ふだんの活動全体でのもうけ
純利益 経常利益 ± 一時的な損益 − 税金 最後に残ったもうけ

5つ全部を覚える必要はありません。このコースで見るのは、売上高・営業利益・純利益の3つです。

🛒 売上高:どれだけ売れたか

は、商品やサービスを売って得たお金の合計です。会社の大きさや、商品がどれだけ求められているかを表します。

売上が伸びていれば、その会社の商品が売れているということです。ただ、売上が伸びても、費用がもっと増えていれば、もうけは減ります。売上高は、次の営業利益とセットで見ます。

🏭 営業利益:本業でのもうけ

は、売上高から、原価と、人件費や広告費などの費用を引いた、本業でのもうけです。このコースで、いちばん大事にする利益です。

まず見るのは「営業利益」。本業がもうかっているか売上売上高商品やサービスが売れた金額の合計本業営業利益売上から原価と人件費などを引いた本業のもうけ最後純利益一時的な損益と税金も引いた、最後に残るもうけまず見るのは「営業利益」。本業がもうかっているか売上売上高商品やサービスが売れた金額の合計本業営業利益売上から原価と人件費などを引いた本業のもうけ最後純利益一時的な損益と税金も引いた、最後に残るもうけ
売上高は売れた金額、営業利益は本業のもうけ、純利益は最後に残るもうけ。まず見るのは営業利益です。

決算発表のニュースでも、「営業利益が前の年より何%増えた」「会社の予想を上回った」といった形で、よく話題になります。買う前には、売上高と営業利益が、前の年とくらべて増えているかを確かめます。両方が何年か続けて増えていれば、本業が順調に伸びていると考えられます。

売上高に対する営業利益の割合を「営業利益率」といいます。見本の会社は、100億円の売上で営業利益10億円なので、営業利益率は10%です。同じ業種の会社とくらべるときに使えます。

🧾 純利益:最後に残ったもうけ

は、営業利益から利息や一時的な損益、税金などを引いて、最後に残ったもうけです。株主のものになる利益で、1株あたりの利益()や、第6回で見るPERの計算に使います。

ただし、純利益には、土地や持っている株を売った利益、工場を閉じた損失など、毎年は続かない「一時的な損益」も入ります。

純利益だけ増えた年に注意(見本、単位:億円)12営業利益 去年8営業利益 今年7純利益 去年15純利益 今年純利益だけ増えた年に注意(見本、単位:億円)12営業 去年8営業 今年7純 去年15純 今年
営業利益は12億円から8億円に減ったのに、土地を売った利益で、純利益は7億円から15億円に増えた見本です。

見本の会社は、純利益だけを見ると2倍以上に増えています。でも本業のもうけである営業利益は減っています。土地は毎年売れるものではないので、来年の純利益はまた減るかもしれません。純利益だけが大きく動いた年は、営業利益も同じように動いているかを確かめましょう。

🔗 チャートとのつながり

株価は、長い目で見ると、利益の伸びについていきやすいと言われます。利益が何年も伸びている会社は、チャートでも上昇の流れが続きやすくなります。反対に、チャートが上向きでも、営業利益が減り続けていれば、どこかで流れが変わるかもしれません。チャートの流れと、本業のもうけの流れが同じ向きかを、買う前に確かめておきましょう。

✏️ 確認問題

Q1. 本業でのもうけを表す利益はどれですか?

答えと解説

正解は「営業利益」。営業利益は、売上高から原価と人件費・広告費などを引いた、本業でのもうけです。このコースでまず見る利益です。

Q2. 売上高が100億円、営業利益が15億円の会社の、営業利益率はいくつですか?

答えと解説

正解は「15%」。営業利益率=営業利益÷売上高×100なので、15÷100×100で15%です。

Q3. 営業利益は減ったのに、純利益だけが大きく増えました。まず考えたいことはどれですか?

答えと解説

正解は「土地を売った利益など、一時的な損益が入っていないかを確かめる」。純利益には一時的な損益も入ります。本業の調子は営業利益で見て、純利益が増えた理由を確かめましょう。

この記事の用語

売上高
商品やサービスを売って得たお金の合計。損益計算書のいちばん上にある数字。
営業利益
売上高から、原価と、人件費・広告費などの費用を引いた、本業でのもうけ。
純利益
営業利益から、利息や一時的な損益、税金などを引いて、最後に残ったもうけ。当期純利益とも呼ぶ。
損益計算書
1年(または3か月)のあいだに、いくら売れて、いくらもうかったかをまとめた表。PLとも呼ぶ。
EPS(1株あたり利益)
会社の利益を、発行している株の数で割った値。PERの計算に使います。
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この記事は投資の考え方を学ぶためのもので、投資助言ではありません。投資は自己判断でお願いします。例に出てくる会社名と数字は、説明のための架空のものです。特定の銘柄をすすめるものではありません。

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