売上・営業利益・純利益のちがいとは?損益計算書の見方を図解【まず見るのは営業利益】
この記事の要点
- 売上高から費用を順に引いていくと、売上総利益、営業利益、経常利益、純利益と、利益が段階ごとに出てきます
- まず見るのは本業のもうけである営業利益。売上高といっしょに、前の年より増えているかを確かめます
- 純利益には、土地を売った利益など一時的な損益も入ります。純利益だけが増えた年は、営業利益も増えているかを見ます
🧮 損益計算書は「上から引いていく」表
前の回で見た損益計算書は、いちばん上の売上高から、いろいろな費用を順に引いていく表です。引くたびに、名前のちがう「利益」が出てきます。
見本の会社は、100億円売れて、最後に残ったもうけは6億円です。それぞれの利益は、次のように求めます。
| 利益の名前 | 求め方 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 売上総利益 | 売上高 − 原価 | 商品そのものでのもうけ(粗利) |
| 営業利益 | 売上総利益 − 人件費・広告費など | 本業でのもうけ |
| 経常利益 | 営業利益 ± 利息・配当の受け取りなど | ふだんの活動全体でのもうけ |
| 純利益 | 経常利益 ± 一時的な損益 − 税金 | 最後に残ったもうけ |
5つ全部を覚える必要はありません。このコースで見るのは、売上高・営業利益・純利益の3つです。
🛒 売上高:どれだけ売れたか
売上高売上高(うりあげだか)商品やサービスを売って得たお金の合計。損益計算書のいちばん上にある数字。くわしく見る →用語集の一覧は、商品やサービスを売って得たお金の合計です。会社の大きさや、商品がどれだけ求められているかを表します。
売上が伸びていれば、その会社の商品が売れているということです。ただ、売上が伸びても、費用がもっと増えていれば、もうけは減ります。売上高は、次の営業利益とセットで見ます。
🏭 営業利益:本業でのもうけ
営業利益営業利益(えいぎょうりえき)売上高から、原価と、人件費・広告費などの費用を引いた、本業でのもうけ。くわしく見る →用語集の一覧は、売上高から、原価と、人件費や広告費などの費用を引いた、本業でのもうけです。このコースで、いちばん大事にする利益です。
決算発表のニュースでも、「営業利益が前の年より何%増えた」「会社の予想を上回った」といった形で、よく話題になります。買う前には、売上高と営業利益が、前の年とくらべて増えているかを確かめます。両方が何年か続けて増えていれば、本業が順調に伸びていると考えられます。
売上高に対する営業利益の割合を「営業利益率」といいます。見本の会社は、100億円の売上で営業利益10億円なので、営業利益率は10%です。同じ業種の会社とくらべるときに使えます。
🧾 純利益:最後に残ったもうけ
純利益純利益(じゅんりえき)営業利益から、利息や一時的な損益、税金などを引いて、最後に残ったもうけ。当期純利益とも呼ぶ。くわしく見る →用語集の一覧は、営業利益から利息や一時的な損益、税金などを引いて、最後に残ったもうけです。株主のものになる利益で、1株あたりの利益(EPSEPS(1株あたり利益)(いーぴーえす)会社の利益を、発行している株の数で割った値。PERの計算に使います。くわしく見る →用語集の一覧)や、第6回で見るPERの計算に使います。
ただし、純利益には、土地や持っている株を売った利益、工場を閉じた損失など、毎年は続かない「一時的な損益」も入ります。
見本の会社は、純利益だけを見ると2倍以上に増えています。でも本業のもうけである営業利益は減っています。土地は毎年売れるものではないので、来年の純利益はまた減るかもしれません。純利益だけが大きく動いた年は、営業利益も同じように動いているかを確かめましょう。
🔗 チャートとのつながり
株価は、長い目で見ると、利益の伸びについていきやすいと言われます。利益が何年も伸びている会社は、チャートでも上昇の流れが続きやすくなります。反対に、チャートが上向きでも、営業利益が減り続けていれば、どこかで流れが変わるかもしれません。チャートの流れと、本業のもうけの流れが同じ向きかを、買う前に確かめておきましょう。
✏️ 確認問題
Q1. 本業でのもうけを表す利益はどれですか?
答えと解説
正解は「営業利益」。営業利益は、売上高から原価と人件費・広告費などを引いた、本業でのもうけです。このコースでまず見る利益です。
営業利益は、売上高から原価と人件費・広告費などを引いた、本業でのもうけです。このコースでまず見る利益です。
Q2. 売上高が100億円、営業利益が15億円の会社の、営業利益率はいくつですか?
答えと解説
正解は「15%」。営業利益率=営業利益÷売上高×100なので、15÷100×100で15%です。
営業利益率=営業利益÷売上高×100なので、15÷100×100で15%です。
Q3. 営業利益は減ったのに、純利益だけが大きく増えました。まず考えたいことはどれですか?
答えと解説
正解は「土地を売った利益など、一時的な損益が入っていないかを確かめる」。純利益には一時的な損益も入ります。本業の調子は営業利益で見て、純利益が増えた理由を確かめましょう。
純利益には一時的な損益も入ります。本業の調子は営業利益で見て、純利益が増えた理由を確かめましょう。
この記事の用語
- 売上高
- 商品やサービスを売って得たお金の合計。損益計算書のいちばん上にある数字。
- 営業利益
- 売上高から、原価と、人件費・広告費などの費用を引いた、本業でのもうけ。
- 純利益
- 営業利益から、利息や一時的な損益、税金などを引いて、最後に残ったもうけ。当期純利益とも呼ぶ。
- 損益計算書
- 1年(または3か月)のあいだに、いくら売れて、いくらもうかったかをまとめた表。PLとも呼ぶ。
- EPS(1株あたり利益)
- 会社の利益を、発行している株の数で割った値。PERの計算に使います。
この記事は投資の考え方を学ぶためのもので、投資助言ではありません。投資は自己判断でお願いします。例に出てくる会社名と数字は、説明のための架空のものです。特定の銘柄をすすめるものではありません。