ROEとは?計算と見方を図解【株主のお金でどれだけもうけたか】
この記事の要点
- ROE(自己資本利益率)は「純利益÷純資産×100」。株主のお金を使って、1年でどれだけ利益をあげたかを表します
- 高いほど、元手を効率よく使ってもうけていると考えられます。日本では8%がひとつの目安として言われることがあります
- 借金を増やして純資産を小さくしてもROEは上がるので、自己資本比率もいっしょに見ます
💪 ROEとは
ROEROE(自己資本利益率)(あーるおーいー)純利益÷純資産×100。株主のお金を使って、1年でどれだけ利益をあげたかを表す。くわしく見る →用語集の一覧(自己資本利益率)は、株主のお金を使って、会社が1年でどれだけ利益をあげたかを表す数字です。会社の「もうける力」を見るときによく使われます。
- ROE = 純利益純利益(じゅんりえき)営業利益から、利息や一時的な損益、税金などを引いて、最後に残ったもうけ。当期純利益とも呼ぶ。くわしく見る →用語集の一覧 ÷ 純資産純資産(じゅんしさん)会社の資産から負債(いずれ返すお金)を引いた残り。株主が出したお金と、これまでためた利益など。くわしく見る →用語集の一覧 × 100(%)
純資産は、株主が出したお金と、これまでにためた利益です(第2回)。つまりROEは、株主から預かっているお金で、1年に何%の利益を出したかを表しています。銀行にお金を預けたときの利息にたとえると、ROEは「会社に預けたお金の利回り」のようなものです。
⚖️ 同じ利益でも、元手で変わる
ROEがおもしろいのは、同じ利益でも、元手の大きさでちがってくるところです。
H社とI社は、どちらも1年で50億円の利益をあげました。でも、H社は1,000億円の元手を使って、I社は400億円の元手で同じ利益を出しています。少ない元手で同じだけもうけたI社のほうが、お金を効率よく使えている、と考えられます。
日本では、ROE8%がひとつの目安としてよく言われます。2014年に経済産業省のプロジェクトがまとめた報告書(伊藤レポート)で、8%を上回ることが目標として示されたためです。ただ、目安は業種によってもちがうので、同じ業種の会社とくらべて見ます。
🔗 ROEとPBRのつながり
前の回のPBRと、ROEには、つながりがあります。PBRは「株価÷1株あたりの純資産」、ROEは「純利益÷純資産」でした。
ROEが高い会社は、財産を使ってたくさんもうけているので、財産よりも高い値段がつきやすく、PBRPBR(株価純資産倍率)(ぴーびーあーる)株価が1株あたりの純資産の何倍かを表す数字。1倍より低いと、株価が会社の財産より安く評価されている状態です。くわしく見る →用語集の一覧も高くなりやすい傾向があります。反対に、PBRが1倍を下回る会社には、ROEが低い会社が多く見られます。PBRが低い理由をさがすときは、ROEも見てみましょう。
⚠️ 借金でもROEは上がる
ROEを見るときに、気をつけたいことがあります。
ROEは、純資産が小さいほど高くなります。そのため、借金を増やして、そのお金で事業をすれば、純資産は増えないまま利益が増え、ROEが上がります。借金をうまく使うのは悪いことではありませんが、景気が悪くなったときには、返済が重くなります。
ROEが高い会社を見つけたら、第10回で見る自己資本比率自己資本比率(じこしほんひりつ)資産のうち、返さなくてよい純資産(自己資本)の割合。高いほど借金にたよっていない。くわしく見る →用語集の一覧もいっしょに確かめて、借金にたよりすぎていないかを見ましょう。
📊 買う前の見方
テクニカルで選んだ銘柄を買う前には、ROEについて、次の2つを確かめれば十分です。
- ROEが、同じ業種の会社とくらべて低すぎないか
- ROEの高さが、借金の多さや、一時的な利益から来ていないか
ROEは、証券会社のアプリの銘柄の情報や、会社四季報にのっています。
✏️ 確認問題
Q1. 純資産が500億円、純利益が40億円の会社のROEはいくつですか?
答えと解説
正解は「8%」。ROE=純利益÷純資産×100なので、40÷500×100で8%です。
ROE=純利益÷純資産×100なので、40÷500×100で8%です。
Q2. 純利益が同じ2つの会社で、ROEが高いのはどちらですか?
答えと解説
正解は「純資産が小さい会社」。ROEは純利益を純資産で割るので、同じ利益なら、純資産(元手)が小さいほうが高くなります。
ROEは純利益を純資産で割るので、同じ利益なら、純資産(元手)が小さいほうが高くなります。
Q3. ROEが高い会社を見つけたとき、あわせて見ておきたい数字はどれですか?
答えと解説
正解は「自己資本比率(借金にたよりすぎていないか)」。借金を増やして純資産を小さくしても、ROEは上がります。自己資本比率もいっしょに確かめましょう。
借金を増やして純資産を小さくしても、ROEは上がります。自己資本比率もいっしょに確かめましょう。
この記事の用語
- ROE(自己資本利益率)
- 純利益÷純資産×100。株主のお金を使って、1年でどれだけ利益をあげたかを表す。
- 純利益
- 営業利益から、利息や一時的な損益、税金などを引いて、最後に残ったもうけ。当期純利益とも呼ぶ。
- 純資産
- 会社の資産から負債(いずれ返すお金)を引いた残り。株主が出したお金と、これまでためた利益など。
- PBR(株価純資産倍率)
- 株価が1株あたりの純資産の何倍かを表す数字。1倍より低いと、株価が会社の財産より安く評価されている状態です。
- 自己資本比率
- 資産のうち、返さなくてよい純資産(自己資本)の割合。高いほど借金にたよっていない。
この記事は投資の考え方を学ぶためのもので、投資助言ではありません。投資は自己判断でお願いします。例に出てくる会社名と数字は、説明のための架空のものです。特定の銘柄をすすめるものではありません。