業績予想と上方修正・下方修正とは?株価が動くしくみを図解【動くのは「予想とのずれ」】

この記事の要点

  • 会社は、今の期の売上や利益の見通しを「業績予想」として出し、決算発表のたびに見直します
  • 予想を引き上げるのが上方修正、引き下げるのが下方修正。売上で10%以上、利益で30%以上ずれそうなときは、すぐに発表する決まりがあります
  • 株価が動くのは、結果の良し悪しより、会社の予想や市場の予想とのずれ。修正が続く向きも、買う前に確かめます

🔭 業績予想とは

多くの会社は、1年のはじめに「今年はこれくらい売れて、これくらいもうかりそうです」という見通しを出します。これがです。決算短信の1ページ目の、いちばん下にのっています。

業績予想は、一度出したら終わりではありません。3か月ごとの決算発表のたびに、ここまでの成績を見て、見通しを変えることがあります。

⬆️⬇️ 上方修正と下方修正

予想より良くなりそうなときに見通しを引き上げるのが上方修正、悪くなりそうなときに引き下げるのが下方修正です。まとめてといいます。

営業利益の会社予想と修正(見本、単位:億円)100億円期のはじめの予想120億円上方修正したとき80億円下方修正したとき期のはじめの会社予想営業利益の会社予想と修正(見本、単位:億円)100億円期初の予想120億円上方修正80億円下方修正期のはじめの会社予想
期のはじめに営業利益100億円と予想していた会社が、120億円に引き上げるのが上方修正、80億円に引き下げるのが下方修正です(架空の会社の見本)。

東証の決まりでは、前に出した予想から、売上高で10%以上、利益で30%以上ずれそうになったときは、すぐに発表することになっています。そのため、修正は決算発表の日だけでなく、ふつうの日の取引のあとに、急に出ることもあります。

🎯 株価が動くのは「予想とのずれ」

ここがいちばん大事なところです。株価には、すでに多くの人の予想が入っています。

動くのは「良い・悪い」より「予想とのずれ」=予想どおりもう株価に入っていることが多く、動きは小さめ+予想より良い上方修正など。上がりやすいが、期待しだい−予想より悪い下方修正など。窓をあけて下がりやすい動くのは「良い・悪い」より「予想とのずれ」=予想どおりもう株価に入っていることが多く、動きは小さめ+予想より良い上方修正など。上がりやすいが、期待しだい−予想より悪い下方修正など。窓をあけて下がりやすい
予想どおりなら、もう株価に入っていて動きは小さめ。予想から大きくずれたときに、大きく動きやすくなります。

会社が出す予想のほかに、証券会社のアナリストたちが出す予想もあります。こちらをまとめたものを(コンセンサス)といいます。多くの人は、こうした予想を見こんで、すでに売り買いをしています。

そのため、決算の数字が前の年より良くても、市場予想にとどかなければ、株価が下がることがあります。反対に、悪い数字でも、思っていたより悪くなければ、上がることもあります。これは、経済指標コースの経済指標とはで見た「予想とのずれ」と同じ考え方です。

📊 チャートで見るとこうなる

上方修正が予想外だったときは、次の朝、窓をあけて上がり、も大きく増えることがあります。

出来高上方修正の翌日出来高上方修正の翌日
上方修正の翌日、窓をあけて上がって始まり、出来高も増えています(緑の帯と金色の棒)。そのあとも、上の値段で推移しています。説明のためのイラストです。実在の銘柄のチャートではありません。

チャートで、出来高をともなって窓をあけた足を見つけたら、その日に決算発表や業績の修正がなかったかを確かめてみましょう(出来高)。理由が分かると、その動きが続きやすいのか、一時的なのかを考える手がかりになります。

🧭 買う前に見るところ

テクニカルで選んだ銘柄を買う前には、業績予想について、次の2つを確かめます。

  1. 今期の予想は、前の期の実績より増える見通しか:決算短信の1ページ目の業績予想の欄に、前の期とくらべた%がのっています
  2. 最近、下方修正が続いていないか:下方修正を何度もしている会社は、さらに下がる見通しが出ることもあります

業績の修正の発表は、会社のウェブサイトの「IR」のページや、ニュースで見られます。

✏️ 確認問題

Q1. 会社が業績予想を引き下げることを、何といいますか?

答えと解説

正解は「下方修正」。予想を引き上げるのが上方修正、引き下げるのが下方修正です。

Q2. 決算の数字が前の年より良かったのに、株価が下がることがあるのはなぜですか?

答えと解説

正解は「市場予想(多くの人の期待)にとどかなかったから」。株価にはすでに多くの人の予想が入っています。前の年より良くても、期待にとどかなければ下がることがあります。

Q3. 東証の決まりで、業績予想をすぐに修正して発表することになっている目安はどれですか?

答えと解説

正解は「売上高で10%以上、利益で30%以上ずれそうなとき」。前に出した予想から、売上高で10%以上、利益で30%以上ずれそうなときは、すぐに発表することになっています。

この記事の用語

業績予想
会社が出す、今の期の売上や利益の見通し。決算短信の1ページ目にのっている。
上方修正・下方修正
会社が業績予想を引き上げるのが上方修正、引き下げるのが下方修正。
市場予想(コンセンサス)
経済指標の発表の前に、専門家が出した予想をまとめた数字。
窓(ギャップ)
となりあう2本のローソク足のあいだにできる、ヒゲも重ならない値段のすき間。
出来高
その期間に売り買いが成立した株の数。値動きの信頼度を確かめるのに使います。
用語集をすべて見る

この記事は投資の考え方を学ぶためのもので、投資助言ではありません。投資は自己判断でお願いします。例に出てくる会社名と数字は、説明のための架空のものです。特定の銘柄をすすめるものではありません。

ファンダメンタル基礎コースの一覧へ戻る