日銀短観とは?業況判断DIの見方を図解【大企業・製造業の「変化」と「先行き」を見る】
この記事の要点
- 日銀短観は、日銀が年4回、全国の企業に景気の感じ方を聞く調査です。4・7・10月のはじめと12月のなかごろ、朝8:50に公表されます
- いちばん注目される業況判断DIは、「良い」と答えた割合から「悪い」と答えた割合を引いた数字です
- プラスかマイナスかより、前の回から良くなったか悪くなったかと、3か月後の先行きを見ます。想定為替レートも手がかりになります
🏭 日銀短観とは
日銀短観日銀短観(全国企業短期経済観測調査)(にちぎんたんかん)日銀が年4回、全国の企業に景気の感じ方などを聞く調査。くわしく見る →用語集の一覧は、日銀が年4回、全国のたくさんの企業に、景気の感じ方や売上・設備投資の計画などを聞く調査です。正式には「全国企業短期経済観測調査」といいます。
数字で測る指標とちがい、企業の「感じ方」を集めたものです。たくさんの企業に同じ質問をくり返すので、景気の流れの変わり目が早く表れやすいとされます。前回の日銀の金融政策決定会合金融政策決定会合(日銀)(きんゆうせいさくけっていかいごう)日銀が政策金利などを決める会合。年8回、2日間開かれます。くわしく見る →用語集の一覧でも、大事な判断材料になります。日銀の総裁の会見でも、短観の結果にふれることがよくあります。
➖ 業況判断DIの出し方
短観でいちばん注目されるのが、業況判断DI業況判断DI(ぎょうきょうはんだんでぃーあい)景気が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた割合を引いた数字。くわしく見る →用語集の一覧です。
企業は、自分の会社の業況(商売の調子)を「良い」「さほど良くない」「悪い」の3つから選びます。「良い」の割合から「悪い」の割合を引いたものがDIです。プラスなら「良い」と感じる企業のほうが多く、マイナスなら「悪い」と感じる企業のほうが多いことを表します。下の図で、「良い」と答えた割合を動かしてみてください。
「良い」40% −「悪い」20% = DI +20。前の回(+10)より10ポイント良くなりました(改善)。「良い」と感じる企業のほうが多い状態です。
数字は説明のための見本で、実在のデータではありません。指標の結果だけで売買を決めないでください。
📈 変化と先行きを見る
ニュースでいちばんよく出てくるのは、大企業・製造業のDIです。輸出や設備投資の動きが表れやすく、景気の流れを早く映すとされます。
大事なのは、プラスかマイナスかより、前の回から良くなったか(改善)、悪くなったか(悪化)です。たとえばDIが+15でも、前の回の+20から下がっていれば、景気の勢いが弱まってきたと読めます。あわせて、3か月後の見通しである「先行き」のDIも見ます。先行きが今より低ければ、企業がこの先を心配していることを表します。
💱 想定為替レート
短観では、企業が事業の計画に使っている想定為替レート想定為替レート(そうていかわせれーと)企業が事業の計画を立てるときに、前もって決めておく為替の値段。くわしく見る →用語集の一覧も公表されます。
たとえば企業が1ドル145円で計画を立てていて、実際が155円なら、輸出企業は円で見た売上が計画より増えやすくなります。決算の前に「利益が上ぶれしそうか」を考える手がかりになります。反対に、想定より円高になっていれば、利益が計画を下回る心配が出てきます。
📅 公表の時期
短観は、3・6・9・12月に調査をして、次のように公表されます。
朝8:50の公表なので、東証が開く9:00の直前です。その日の寄り付きから、結果が値動きに表れやすくなります。結果は日銀のサイトに表で出て、ニュースでもすぐに伝えられます。
🔎 ほかに見るところ
短観では、大企業・製造業のほかに、大企業・非製造業(小売・サービス・不動産など)や、中小企業のDIも発表されます。製造業は輸出や世界の景気、非製造業は国内の消費の様子が表れやすいとされます。
企業の設備投資の計画も、景気の先行きを考える手がかりです。企業が工場や機械への投資を増やす計画なら、先の景気に自信があると読めます。また、企業が答えた物価の見通しは、日銀が物価の先行きを考えるときの材料にもなります。
📊 チャートで見るとこうなる
短観は朝8:50に出るので、その日の寄り付きから値動きに表れます。予想より良い結果なら、その日の足が上がって始まることがあります。
🗓 カレンダーで確かめる
次の短観の公表日は、経済指標カレンダーで確かめられます。日銀は、1年分の公表予定を前もって出しています。
✏️ 確認問題
Q1. 「良い」が25%、「悪い」が35%のとき、業況判断DIはいくつですか?
答えと解説
正解は「−10」。DIは「良い」の割合から「悪い」の割合を引いた数字です。25 − 35 = −10 で、「悪い」と感じる企業のほうが多いことを表します。
DIは「良い」の割合から「悪い」の割合を引いた数字です。25 − 35 = −10 で、「悪い」と感じる企業のほうが多いことを表します。
Q2. DIが+15でした。前の回は+20です。どう読みますか?
答えと解説
正解は「プラスだが、前の回より悪化した」。プラスでも、前の回の+20から下がっているので悪化です。プラスかマイナスかより、前の回からの変化と先行きを見ます。
プラスでも、前の回の+20から下がっているので悪化です。プラスかマイナスかより、前の回からの変化と先行きを見ます。
Q3. 日銀短観は、何時に公表されますか?
答えと解説
正解は「朝8:50」。日銀短観は朝8:50に公表されます。東証が開く直前なので、その日の寄り付きから値動きに表れやすくなります。
日銀短観は朝8:50に公表されます。東証が開く直前なので、その日の寄り付きから値動きに表れやすくなります。
この記事の用語
- 日銀短観(全国企業短期経済観測調査)
- 日銀が年4回、全国の企業に景気の感じ方などを聞く調査。
- 業況判断DI
- 景気が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた割合を引いた数字。
- 想定為替レート
- 企業が事業の計画を立てるときに、前もって決めておく為替の値段。
- 金融政策決定会合(日銀)
- 日銀が政策金利などを決める会合。年8回、2日間開かれます。
- 市場予想(コンセンサス)
- 経済指標の発表の前に、専門家が出した予想をまとめた数字。
この記事は投資の考え方を学ぶためのもので、投資助言ではありません。投資は自己判断でお願いします。