経済指標の発表日はどうする?持ち越し・株数・損切りの決め方を図解【結果は分からない前提で】
この記事の要点
- 重要な指標の前後は、値段が飛ぶ(窓)・思った値段で売れない・上下に大きく振れる、といったことが起きやすくなります
- 米国の発表は日本の夜なので、日本株は次の朝に窓をあけて始まることがあります。決めた損切りより不利な値段で決済になることもあります
- 結果は予想できない前提で、持ち越すか・株数・損切りの位置の3つを、発表の前に自分のルールで決めておきます
⚡ 発表の前後に起きやすいこと
このコースでは、雇用統計・物価・FOMC・日銀・短観・GDPと、大事な経済指標経済指標(けいざいしひょう)国や中央銀行が決まった日に発表する、景気や物価・雇用の様子を表す数字。くわしく見る →用語集の一覧を見てきました。最後の回は、その発表の日に、自分の売り買いとどう向き合うかを考えます。
発表の直後は、多くの人がいっせいに売り買いするので、値段が大きく動きます。上がったと思ったらすぐ下がる、というように、向きが何度も変わることもあります。こうした、重要な出来事の前後に値段が大きく動いたり飛んだりする危険を、イベントリスクイベントリスク(いべんとりすく)重要な発表や出来事の前後に、値段が大きく動いたり飛んだりする危険。くわしく見る →用語集の一覧といいます。
発表の直後は、注文が一方にかたよって、思った値段で売り買いできないこともあります。値段が大きく動いているときに慌てて注文すると、自分でも思っていなかった値段で決済になることがあるので注意します。
🌙 米国の発表と、次の朝の窓
日本株を売り買いするときにとくに気をつけたいのが、米国の発表です。
日本の市場が閉まっているあいだに大きく動くと、日本株は次の朝、前の日の終わりの値段から離れて始まります。これが窓窓(ギャップ)(まど)となりあう2本のローソク足のあいだにできる、ヒゲも重ならない値段のすき間。くわしく見る →用語集の一覧です。たとえば1,000円で決めていた損切り損切り(そんぎり)決めた値段まで下がったら、損が出ていても売って、それ以上損が広がらないように止めること。くわしく見る →用語集の一覧の値段を飛びこえて、950円で始まることもあります。そのときは、決めた値段より不利な値段で決済になります。
✅ 発表の前に決める3つ
発表の結果は、だれにも分かりません。だからこそ、結果は分からない前提で、次の3つを発表の前に、自分のルールとして決めておきます。
1つ目は、発表をまたいで持ち越すかどうかです。そのまま持つ・減らす・持ち越さないなど、どれを選ぶかは人によってちがいます。2つ目は株数ポジションサイズ(ぽじしょんさいず)1回の売り買いで持つ株数や金額。1回で負けてよい金額と、損切りまでの値幅から逆算します。くわしく見る →用語集の一覧です。窓をあけて動いたときの損が、自分で決めた1回の損の上限とくらべてどうかを確かめておきます。3つ目は損切りの位置です。エントリー前に、自分のルールで決めておきます。どのやり方が合うかは、資金や売り買いの期間、性格によって変わります。
下の図で、持つ株数を動かしてみてください。株価1,000円の株が、発表のあと5%の窓をあけて下がったときの損と、1回に許せる損をくらべます。ここでは、たとえば資金100万円の1%で1万円としています。数字は見本で、上限をいくらにするかも自分のルールで決めます。
300株を持ったまま、発表のあと5%の窓をあけて下がると、損切りの前に15,000円の損になります。たとえば1回に許せる損を10,000円と決めているなら、それをこえます。株数や持ち越しをどうするかは、自分のルールに照らして決めます。
数字は説明のための見本で、実在のデータではありません。指標の結果だけで売買を決めないでください。
損切りの位置の決め方は、講座「スイングトレード|週足と日足で決めるルール」の第15回 損切り・撤退にまとめています。基礎コースのリスク管理もあわせて読んでみてください。どのやり方を選ぶかを含めて、投資は自己判断でお願いします。
🗓 週のはじめに確かめる
発表に振り回されないためには、前もって知っておくことがいちばんです。
週のはじめに経済指標カレンダーを開き、★3つの発表がいつあるかを確かめておきましょう。「水曜日の夜にCPIがあるから、その前に自分のルールでどうするかを確かめておく」といった準備がしやすくなります。リスク管理リスク管理(りすくかんり)思ったのと逆に動いたときの損失を、あらかじめ決めた大きさにおさえるための考え方。くわしく見る →用語集の一覧は、売り買いの前の準備から始まります。
📝 発表のあとにふり返る
発表の日が終わったら、何が起きたかをトレード日記にふり返っておきましょう。予想と結果はどうだったか、次の朝の窓はどれくらいだったか、自分の決めたことは守れたか。
たとえば「CPIが予想より高く、次の朝は2%の窓で下がって始まった。株数を減らしておいたので、損は上限の内側だった」のように書いておくと、次に同じ発表があるときの準備がしやすくなります。発表のたびに記録が増えると、自分にとって注意が必要な発表がどれかも見えてきます。
📊 チャートで見るとこうなる
実際のチャートでは、重要な発表の次の日に、窓をあけて大きく動く足がよく見られます。1週間のうちに重要な発表が2つあると、上にも下にも窓をあけることがあります。
✏️ 確認問題
Q1. 米国の重要な発表のあと、日本株が次の朝に窓をあけて始まるのはなぜですか?
答えと解説
正解は「米国の発表が、日本の市場が閉まっている夜に出るから」。米国の発表は日本時間の夜〜明け方なので、その間は日本株を売り買いできません。夜のうちの動きが、次の朝の窓になって表れます。
米国の発表は日本時間の夜〜明け方なので、その間は日本株を売り買いできません。夜のうちの動きが、次の朝の窓になって表れます。
Q2. 株価1,000円の株を300株持っていて、5%の窓をあけて下がりました。損はいくらですか?
答えと解説
正解は「15,000円」。300株 × 1,000円 × 5% = 15,000円です。たとえば1回に許せる損を1万円と決めていたなら、上限をこえてしまいます。
300株 × 1,000円 × 5% = 15,000円です。たとえば1回に許せる損を1万円と決めていたなら、上限をこえてしまいます。
Q3. 重要な発表の前に決めておくことに、ふくまれないものはどれですか?
答えと解説
正解は「発表の結果がどうなるかの当て方」。発表の結果はだれにも分かりません。結果は分からない前提で、持ち越すか・株数・損切りの位置の3つを、自分のルールで決めておきます。
発表の結果はだれにも分かりません。結果は分からない前提で、持ち越すか・株数・損切りの位置の3つを、自分のルールで決めておきます。
この記事の用語
- イベントリスク
- 重要な発表や出来事の前後に、値段が大きく動いたり飛んだりする危険。
- 窓(ギャップ)
- となりあう2本のローソク足のあいだにできる、ヒゲも重ならない値段のすき間。
- 損切り
- 決めた値段まで下がったら、損が出ていても売って、それ以上損が広がらないように止めること。
- ポジションサイズ
- 1回の売り買いで持つ株数や金額。1回で負けてよい金額と、損切りまでの値幅から逆算します。
- リスク管理
- 思ったのと逆に動いたときの損失を、あらかじめ決めた大きさにおさえるための考え方。
- 経済指標
- 国や中央銀行が決まった日に発表する、景気や物価・雇用の様子を表す数字。
この記事は投資の考え方を学ぶためのもので、投資助言ではありません。投資は自己判断でお願いします。