消費者物価指数(CPI)とは?前年比とコアの見方を図解【米国と日本、物価の目標は2%】

この記事の要点

  • 消費者物価指数(CPI)は、暮らしで買うものやサービスの値段の動きを表す数字です。ふつうは1年前とくらべた前年比で見ます
  • 「コア」は値動きの大きい品目を除いたもので、日本と米国で中身がちがいます。日銀もFRBも、物価の目標は年2%です
  • 予想より高いと、利上げ(利下げが遠のく)の見方が強まり、金利が上がって株価の重しになりやすくなります

🛒 消費者物価指数とは

は、食べもの・電気代・家賃・サービスなど、暮らしで買うものの値段が、全体としてどう動いたかを表す数字です。英語の頭文字をとってCPIと呼びます。

米国のCPIは、米国の労働統計局が毎月なかごろ、日本時間の21:30か22:30に発表します。日本のCPI(全国)は、総務省が原則として毎月19日を含む週の金曜日、朝8:30に発表します。どちらも、金利の見通しを左右する大事なです。

物価は、暮らしの実感にもつながる数字です。値段が上がり続けると、同じお金で買えるものが減るので、中央銀行は物価が上がりすぎないように金利を調整します。そのため、CPIは中央銀行の次の一手を考える、いちばん直接の材料になります。

📈 前年比で見る

CPIは、ふつうで見ます。1年前の同じ月とくらべて、何%上がったかです。

前年比:1年前の同じ月とくらべて、何%上がったか(見本)100103 → 前年比+3%1年前の同じ月今月前年比:1年前の同じ月とくらべて、何%上がったか(見本)100103 → 前年比+3%1年前の同じ月今月
物価の指数が1年前に100、今月が103なら、前年比は+3%です(見本)。

1年前の同じ月とくらべるので、季節による値段の変わり方(夏の電気代など)の影響を受けにくくなります。ニュースで「物価が3%上がった」と言うときは、ふつうこの前年比のことです。前の月とくらべる「前月比」は、短い期間の変化を見るときに使います。

🧺 総合とコア

CPIには、すべての品目を入れた「総合」のほかに、値動きの大きい品目を除いたがあります。

同じ「コア」でも、日本と米国で中身がちがう総合すべての品目の値段の動き日本の「コア」値動きの大きい生鮮食品を除いたもの米国の「コア」食品とエネルギーを除いたもの同じ「コア」でも、日本と米国で中身がちがう総合すべての品目の値段の動き日本の「コア」値動きの大きい生鮮食品を除いたもの米国の「コア」食品とエネルギーを除いたもの
日本の「コア」は生鮮食品を除いたもの、米国の「コア」は食品とエネルギーを除いたもの。同じ名前でも中身がちがいます。

野菜は天候で、ガソリンは原油の値段で、大きく上下します。それらを除いたコアを見ると、物価の上がり方が一時的なものか、続きそうなものかが分かりやすくなります。日本では、生鮮食品とエネルギーの両方を除いたものを「コアコア」と呼ぶこともあります。

🎯 物価の目標は2%

日銀もFRBも、物価が年2%くらいで安定して上がることを目標にしています(2026年10月時点)。

物価の目標は2%(日銀・FRBとも)。前年比の動き(見本)0%1%2%3%4%目標 2%2年前1年前今物価の目標は2%(日銀・FRBとも)。前年比の動き(見本)0%1%2%3%4%目標 2%2年前1年前今
前年比の動きの見本。目標の2%を大きく上回ると、物価を抑えるために金利を上げる(下げない)見方が強まります。

物価の上がり方が目標より速いと、中央銀行はを上げたり、下げるのを待ったりします。反対に、目標より低いままだと、金利を低くしておく理由になります。CPIは、この判断にいちばん直接つながる数字です。

🔗 株価への効き方

CPIも、とくらべて読みます。

物価が高い予想より高い結果利上げの見方利下げが遠のく金利が上がる成長株の重し先の利益が多い株ほど物価が高い予想より高い結果利上げの見方利下げが遠のく金利が上がる成長株の重し先の利益が多い株ほど
物価が予想より高い → 利上げ(利下げが遠のく)の見方 → 金利が上がる → 先の利益への期待が大きい成長株ほど重しになりやすい。

金利が上がると、何年も先の利益を見こんで買われている成長株は、とくに値下がりしやすくなります。反対に、予想より物価の上がり方が落ち着いていれば、金利が下がり、株価の支えになりやすくなります。下の図で、前年比の結果を動かしてみてください。

消費者物価指数の前年比(見本)0%1%2%3%4%5%目標 2%予想 3%結果 3.4%緑の帯:目標の2%のあたり
予想より高い

前年比 3.4%。目標の2%より高く、予想より0.4ポイント高い結果です。利上げ(利下げが遠のく)の見方が強まり、金利が上がって、成長株の重しになりやすい方向です。

数字は説明のための見本で、実在のデータではありません。指標の結果だけで売買を決めないでください。

🔎 米国と日本で見るところ

米国のCPIでは、総合とコアの両方について、前年比と前月比が注目されます。前月比は短い期間の勢いを表すので、「ここ1か月で上がり方が強まったか」を見るのに使われます。

日本のCPIでは、生鮮食品を除いたコアの前年比がよく伝えられます。日銀が物価の目標の2%とくらべて判断するときの、大事な材料です。全国の数字の前には、東京都区部の数字(速報)が先に発表されるので、全国の結果の手がかりとして見られることもあります。

📊 チャートで見るとこうなる

米国のCPIは、日本時間の夜に発表されます。日本株が反応するのは次の日の朝です。予想より低い(物価が落ち着いた)と受けとられると、金利が下がり、株価が上がって始まることがあります。

出来高米国のCPIの翌日(予想より低かった)出来高米国のCPIの翌日(予想より低かった)
米国のCPIが予想より低かった次の日、窓をあけて上がって始まり、出来高も増えています(金色の帯と棒)。説明のためのイラストです。実在の銘柄や指数のチャートではありません。

🗓 カレンダーで確かめる

米国と日本のCPIの次の発表日と日本時間は、経済指標カレンダーで確かめられます。米国のCPIは★3つ、日本のCPIは★2つにしています。

✏️ 確認問題

Q1. 物価の指数が1年前に100、今月が102でした。前年比はいくつですか?

答えと解説

正解は「+2%」。1年前の100から102に上がったので、前年比は+2%です。たとえば日銀やFRBの目標と同じくらいの上がり方です。

Q2. 米国の「コア」CPIは、何を除いたものですか?

答えと解説

正解は「食品とエネルギー」。米国のコアCPIは、値動きの大きい食品とエネルギーを除いたものです。日本のコアは生鮮食品を除いたもので、中身がちがいます。

Q3. CPIが予想より高かったとき、株価にはどんな方向に効きやすいですか?

答えと解説

正解は「金利が上がり、株価の重しになりやすい」。物価の上がり方が速いと、利上げ(利下げが遠のく)の見方が強まり、金利が上がって株価の重しになりやすくなります。とくに成長株に効きやすいとされます。

この記事の用語

消費者物価指数(CPI)
暮らしで買うものやサービスの値段の動きを表す数字。
コアCPI
消費者物価指数から、値動きの大きい品目を除いた数字。物価のもとの流れを見るのに使います。
前年比
1年前の同じ時期とくらべて、何%増えたか(減ったか)。
政策金利
中央銀行が景気と物価を調整するために決める、もとになる金利。
市場予想(コンセンサス)
経済指標の発表の前に、専門家が出した予想をまとめた数字。
経済指標
国や中央銀行が決まった日に発表する、景気や物価・雇用の様子を表す数字。
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この記事は投資の考え方を学ぶためのもので、投資助言ではありません。投資は自己判断でお願いします。

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